成田-ウィーンで運航しているオーストリア航空が9月4日のフライトを以って日本から撤退してしまうようです。就航したばかりの浦東便を来月より週5往復から毎日運航とするほか、日本撤退の翌日からは香港便を設定するそうなので、「どうしてもオーストリア航空を使いたい!」という人は一旦これらの空港を利用する形になりそうです。
私自身、初訪欧で利用した航空会社がオーストリア航空のこの成田ウィーン便だったため、無くなると聞いて少なからぬショックを感じました。アジア圏からは新規航空会社の乗り入れが活発な現状ですが、昨年のバージンに続き欧州系は撤退が続いているようにも感じます。

アジア圏を広い目で見れば、東の端の日本に直接就航するよりはハブとなっている上海、香港と言った空港に就航してヨーロッパの諸都市から10時間、乗り換えてさらに他社コードシェア便で2、3時間のフライトで目的地。といった方が効率は良いのかもしれません。
さらにオーストリア航空自身も親会社であるルフトハンザドイツ航空との経営統合の波もあって一層の効率化を図っている途上でもあるのでしょう。ルフトハンザ自身、東京へはフランクフルト、ミュンヘンから就航しており、ウィーンからの旅客をこちらに振り分けることで搭乗率の向上を図りたい思惑もあるのかも。いずれにせよ、撤退の理由が搭乗率の低迷なので、直行便の復活はしばらくは厳しいでしょう。ただ、相互に行き来する人が減ってしまったというわけではないと思います。前述のようなハブ空港での乗り継ぎ強化による利便性の向上は、たとえば日本の地方空港の利用客がインチョン空港乗り継ぎによって世界各地へのアクセス性が飛躍的に高まったように、直行便よりもはるかに効率的で便利だといえます。
しかし、空港のパタパタ(古w)に表示される行先、航空会社はなにより趣味人として旅情を掻き立てるものですから、ここからOS便やVIENNAの文字が消えてしまうのは寂しい限りです。

これは行きたい。ジャカルタ行きたいとか思っている場合じゃない。
離陸後、シートベルトサインが消えても延々とお喋りを続けているキャビンアテンダントを見に行きたい。食事時、焼きたてのパンを文字通りトングで「投げて」寄こすサプライズな体験をしに行きたい。
夏ころにOS便で行く欧州旅行を考えてみようかと思っています。(行くとは言っていない…)