ジャカルタMRT、日本勢が車両製造を落札。 2015/03/04 2015/05/06 kazuya

2015年3月3日、住友商事、日本車輌製造によってジャカルタMRT南北線用車両96両の製造を受注したことが発表されました。インドネシアにおける日本製「新型」車両の導入は1997年以来、実に20年振りとなるそうです。
近年の東南アジア地域におけるMRT建設の進捗は構想段階から建設、開業の段階へと移っており、日本勢による車輌の製造受注が目立っています。2012年のマニラMRT7号線(総合車輌)、2013年のホーチミンMRT1号線(日立)、2014年のバンコクMRTパープルライン(総合車輌)と、毎年何処かしらの都市で使われる車両を受注しており、さらなる躍進が期待されます。
そもそも…アルストム、シーメンス、ボンバルディア、ヒュンダイロテムといった海外大手企業はある程度の標準仕様があるようで、どこの都市に行っても同じような車両が走っており、特にアルストムの「メトロポリス」シリーズは自分がどの街に居るのか分からなくなるくらいそっくりな時もあります。

日本でも近年、JR東日本が導入したE231系、E233系ベースの車両を相模鉄道や都営地下鉄、小田急電鉄などが導入して話題になりましたが、欧州や中国では比較にならない規模で共通仕様の車両が投入されており、需要があればコストも下がるわけで、東南アジアでも一時は欧州勢の大躍進となったわけですが、日本国内でもガイドライン策定によって仕様の共通化が図られるなどした結果、STRASYA(STandard urban RAilway SYstem for Asia)による信号システムなどと抱き合わせた手法によって価格だけではない魅力を提供できるようになったのではないかと思います。
そして今回、ジャカルタMRTの車輌製造をおこなう日本車両ですが、2001年、2011年にジャカルタ圏都市鉄道向けに同国内で製造された車両に対して技術支援をしており、そしてインドネシアでは2019年には鉄道車両の国産化を達成させることが決まっており、こうした背景も受注の裏にあって、今後開業する路線では車両製作に対する技術支援、ノックダウンといった事が出てくるのではないかと考えられます。

人口が増加し続けているアジアの諸都市。さらなる日本製車両の活躍を見てみたいですね。