八王子、中央線快速電車の終点である高尾駅からバスで30分、恩方地区にある上恩方郵便局(00086)は昭和13年完成の局舎が現役という知る人ぞ知る場所。
とはいえ自分も行ってから初めて知ったのですが…
和洋折衷、いかにも昭和初期の雰囲気を出す局舎。右書きの上恩方郵便局という字体もなかなかですが、鬼瓦の逓信マークや、ハーフティンバー風の軒先がアクセントになっています。
1階の窓は新しいサッシに交換されているようですが、2階の格子窓は建築当初のままでしょうか。左側に増設されたATMスペースもさほど気にならず、うまく雰囲気を残していると思います。
これでポストが丸ポストだったら…と思った人は自分だけではないはず。
軒下に掲げられた取り扱い業種の看板。
おそらく意図的に、だとは思いますが「爲替」や「保險」という書き方をしているあたり、レトロ辺りで売り出して行こうとしているのでしょうか。
内部にもグッと来る看板が。まさかの「郵政省」。
現存しない省庁を記載しているのもどうかとは思いますが、分かっている人には「おぉ~っ。」と感嘆が漏れそうな看板。
背後に映っている天井もなかなかいい味が出ていて、長年拭き上げられた竿縁、漆喰塗りの天井板など、今まで数多く見てきた古い郵便局の中でもかなり美しい状態だと思います。
目と鼻の先、夕焼けこやけの里で保存されているボンネットバスと一緒に写すと絵になりそう。
現役当時に是非とも見てみたかったです。