2014夏。台湾、基隆の港町の片隅に 2014/09/01 2015/02/16 kazuya

8月4日から7日まで、台湾を旅行しました。1月も経ってから記事を書くなんて…

8月6日、台北駅から電車で40分。台湾を代表する港町基隆にやってきました。かつては日本本土、神戸や横浜、長崎などと結ばれ、台湾へ人や工業製品が、日本へ農作物や鉱物が行き来していました。
今回、その基隆港の入り口に位置し、漁港として今日も機能している八尺門にあった鉱石選別、船積み施設の跡を見に行ってきました。基隆駅前のバスターミナルから和平島行きのバスに乗ること20分、和平橋のたもとでバスを降り、ほぼ目の前と言ってもおかしくない位置でそれは視界に飛び込んどきました。
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もともとは倉庫状の建造物で、観光地九分のさらに奥にある金瓜石鉱山から索道で降ろされた鉱物を運んだ鉄道の終着駅だったそうですが、今日残っているのは鉄筋コンクリート造りの部分のみ。

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鉱石を積んだ貨物列車は高架構造の施設の上段に入り鉱石を落とし、下段で選別作業を行った後に日本へ向けて船積みされたそうです。

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よく見てみると、かつては外壁であったであろう部分に窓らしきものがみえたり、貨物列車が入ったであろう広さの高架構造物があったりしますが、ネット上では稼動していた当時の写真が見つからないため、どんな構造だったのかは想像するしかありません。また、鉱石の輸送も1945年以降は行われていたのかも疑問で、その辺も調べてみたいな、と思っていますが時間が…と言い訳してみます。
付け加えると、1945年までは鉱石を日本へ運んで精製していたようですが、日本領でなくなって以降は台湾現地で精製を行っており、金瓜石ではその精製工場の遺構も残っています。そしてこの鉄道路線も1962年に一部を台湾国鉄が路線として編入のうえ廃止されており、建造から80年、廃止後50年以上経った今日でもその遺構が残ることに感激を覚えました。

 

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ちなみに内部は野良犬とホームレスの住処となっているようで、むやみに近づくのは止めた方がいいと思います。表に見張り役の犬がデーンと座っていて、吼えあう声から数匹はいるようでした。中に入ったら野良犬に囲まれそうで諦めました。

八尺門駅(旧濱町駅)
【アクセス】基隆駅から和平島行きバス(101系統)で20分、和平橋頭下車徒歩1分
【必要時間】30分程度
【見学料金】無料